【映画生コマフィルム】スキャン用マスク自作

フィルムスキャナー

普通のスキャナーとの違い

本記事は,映画の入場者特典で生コマフィルムを手に入れた方向けの内容となっております.

まず,フィルムを綺麗にデータ化したい方は,中古のフィルムスキャナーを買った方が早いです.

私自身,フィルムスキャナーを買わずに様々な方法を試しましたが,5000円前後のスキャナーであれば,そこそこ高画質でスキャンで出来るので,色々悩むのであれば最初からスキャナーに行った方が楽です.

もしくは,デジタル一眼レフカメラを所有されているのであれば,デジタルデュープ(直撮りデータ化)も検討の余地があると思います.

それでも,マクロレンズやフィルムを固定するキットなどが必要となるので,コスト的に高いです.

くわえて,映画用のフィルムは小さいので,普通の35mmスキャナーではサイズが合いません.

大体,35mmフィルムの半分で,ハーフサイズ用の撮影機材を用意することになります.

以上のことから,カメラで撮影するより,中古のフィルムスキャナーを買った方が安く済むと思います.

次に試したことが無いので断言は出来ませんが,フィルム専用のスキャナーは素人が手を出さない用が良いです.

これはデジ一眼でやらないことをオススメする理由と同じで,同梱されている機材が35mmフィルム用がベースとなっているからです.

フィルムの長さも違うので,注意が必要です.

使い捨てカメラなどを現像した場合,6コマぐらいで1シートに切られると思います.

映画のフィルムはその半分のサイズなので,12コマ分の長さのホルダーに4or5コマ分の短いフィルムを装着することになります.

おそらく,手動でスキャン範囲を決めればやれないことは無いと思いますが,それよりもフラッドベッドスキャナーを推奨します.

フラッドベッドスキャナーとは,おそらく一般的にイメージされるスキャナーで,コンビニの複合機などと同じ形式です.

ガラス?面に対して対象物をセットし,白い板などが付いた蓋を閉めて,下から光を当ててスキャンを行う方式です.

最後に,なぜそのフラッドベッドスキャナーではなく,フィルムスキャナーでないとダメかを説明します.

正確には,フィルム対応のフラッドベッドスキャナーをフィルムスキャナーとして以降扱います.

普通のスキャナーは,上蓋の白い板を外すことが出来ませんが,フィルム対応のスキャナーはそこが外れます.

そして,LEDの光源が用意されており,フィルムの上から光を当てて,下のCCDで読み取りを行います.

工学的な知識に詳しくありませんが,フィルムをスキャンするのであれば,CISよりもCCDの方が良いそうです.

CCDセンサーの方が,被写深度が深く,ガラス面から離れている原稿でも鮮明に読み込めるみたいです.

フィルムの場合,ガラス面より浮かせた状態でスキャンするので,平面の紙のみを扱う普通のスキャナーとは求められる要件が異なります.

強いていれば,私が購入している約15年〜20年ほど前のフィルムスキャナーは,LEDではなく,白色冷陰極蛍光ランプが使われており,連続して使用するとスキャナー本体が熱くなります.

CCDの方がギミック的に機種本体が大きくなり,ライトまで埋め込む必要もあり,さらに大きく重くなり,製造コストも上がります.

しかし,フィルムを扱う人は減少しているので,量が出ません.

なので売れないフィルムスキャナーは,モデルチェンジの頻度が遅く,数年に1回あれば良い方で,作っているメーカー自体が少ないです.

それでも新品を販売してくれているエプソンやキャノンには感謝です.

フィルムスキャナーの注意点

フィルムスキャナーの難しさとして,埃やゴミの写り込みやキズの修復などがありますが,

ピント合わせが綺麗にスキャンする上では大事になってきます.

何百万円もするプロ向けの機材は知りませんが,数千円で買える中古のフィルムスキャナーには,

ピントを調節する機能がありません.

価格.comなどでレビューを読んでいても,5〜10万円ぐらいの家庭用フィルムスキャナーでも,

ピント合わせで苦労している人がたくさんいました.

そもそも,ピント合わせ機能が無いのに,どのようにするかというと,

フィルムを置く高さを,手作業でミリ単位の修正をします.

具体的には,同梱されている機材ではなく,互換性がある専用の商品を輸入するか,

自分で作成する方法が基本となってきます.

フィルムをスキャンする際は,専用の機材に入れて固定します.

EPSONの取り扱い説明書には,『フィルムホルダ』と書いてあります.

他には,『マウント』,『マスク』などと呼ばれています.

とりあえず,フィルムはガラス面に直置きしないということを覚えておいてください.

フィルムホルダーを自作する理由

分かりやすい理由としては,純正の付いてくるフォルダーの作りが雑で,

フィルムの反りなどに対応しておらず,平滑性を保てないと紹介されていました.

くわえて,固定の仕方によっては,ゴミが入ったまま固定したりするので,

使い物にならないという意見もありました.

他には,スキャン中に次のフィルムをセットするために,

予備のフォルダーを用意しているという人もいました.

個人的に納得したのは,個体差です.

機体ごとの調整が甘く,微妙に異なっているとのことでした.

同じ機種を買っても,ピントの合いが違ったりするそうなので,

数万円の機種であれば,仕様と割り切るしか無いと思います.

以上のような背景があり,フィルムのスキャンを行うために,

フィルムを固定する装置を自作するのが一般的な行為になっているようです.

フィルムマスクの自作

材料

マグネットシート
マグネットシート
マグネットシート
マグネットシート
マグネットシート
マグネットシート

YouTubeを見て,100均などで売っているマグネットシートを使うアイデアを採用しました.

実際に作成したフィルムマスク

自作したフィルムマスク
自作したフィルムマスク
自作したフィルムマスク
自作したフィルムマスク
自作したフィルムマスク

本来は厚みなどをミリ単位で管理するべきですが,特に気にせず試作してみました.

横幅25mm,縦幅95mmの穴をくり抜いたのを2枚用意しました.

試作して分かったことですが,マグネットシートの磁気の向きを意識して作ったほうが良いと分かりました.

また,普通のマグネットシートではなく,マグネットシールシートを使った方が良い理由も分かりました.

シートを固定するために,上辺をテープかシールで固定しておいた方が,フィルムを入れやすいです.

実際に使用してみると,使いずらさを実感すると思います.

作り直すとすれば,もっと横幅をもたせた上で,

フィルムを固定する際には,テープなどを使って動かないようにした方が楽だと考えています.

ジャストサイズで作った結果,取り扱いにくいものが出来てしまいました.

そもそも,上辺と下辺にはかからないようにしており,固定が難しいと思います.

横幅も左右合わせて10mmほどしかないので,重なる部分が少ないです.

マグネットシートでフィルムマスクを自作される方は,設計の段階でしっかりと考えた方が良いと思います.

おまけ実験 アクリル板で固定してみる

中古のフィルムスキャナーを漁っていると,ガラス板を売っている人を見かけます.

調べてみると,フィルムにガラス板を押しつけてフラットにしているようです.

当然,フィルムホルダは機種によって異なるため,そのサイズに合わせてガラスをカットしているみたいです.

それを参考に,フィルムを直置きし,その上にアクリル板を置くことで平面になるのではないかと考えました.

試しに,100mm✕100mm✕2mmぐらいのアクリル板を買ったので,実験してみます.

【検証実験】フィルムマスクによる違い

機材紹介

基本的に,フィルムスキャナーはEPSONのを探しています.

訳は,Windows10(64bit) 用のドライバーをメーカーが用意してくれているからです.

古い機種でも,ほとんどのスキャナー用のドライバが公開されています.

そのおかけで,約5000円ぐらいで買える中古のスキャナーでも,動かすことが出来ます.

既に購入したのは,「GT-8400UF」,「GT-X700」,「GT-X750」の3台です.
今回は紹介しませんが, 「GT-S650」を使って,普通のスキャナーでもフィルムスキャンを頑張ってみたみたいな記事の構想を考えています.

結論を言うと,普通のスキャナーでも,明るいフィルムであれば,それっぽくスキャンできます.

分かりやすく良いと,白い紙の上にフィルムを置いて,色が分かるのであれば,普通のスキャナーでも,その色は残ります.

逆に,暗部の見えない部分は,ちゃんと光をあててスキャンしないと黒潰れで良く見えません.

荒技ですが,普通にカラースキャンした画像と,蓋を開けてモノクロでスキャンした画像を,Photoshopで組み合わせることで,それっぽくなるという技を編み出しています.

そんな実験をやっていたのは,フィルムスキャナーを買う前の話です.

恥ずかしい話しですが,ライトボックス(トレース台)をフィルム上に置いて,

上から光を当てれば,普通のスキャナーでも大丈夫だと考えていました.

しかし実際に,「ガラス面←フィルム←ライトボックス←蓋」でスキャンしてみると,

光が強すぎて,色が飛んでしまい,何もしない状態より酷い絵になりました.

最初に,GT-8400UFを使ってみて,フィルムのスキャンは,上からのみ光を当てていることが分かりました.

フィルムスキャンは,両側から光を当てるという記事読んでいたので,完全に勘違いしていました.

フィルムのスキャンは,上蓋のライトのみを使うので,普通のスキャナーだと,下側のライトを切れないので,

そもそもやる前から失敗すると明らかでした.

そんな失敗があり,フィルムスキャナーを買った方が早いという結論に至りました.

自分でDIYするより,5,000円ぐらいで買った方が楽です.

実験内容

今回のテストでは,GT-X700のみを使って検証します.

いずれは,他の機種でも試そうと思いますが,机の広さ的に,1台しか置けないので,

同時作業が難しいため,今すぐには行いません.

紹介する画像は,1200dpiでスキャンした1種類のフィルムです.

実際には,4枚のフィルムで行い,2400dpi,3200dpi,4800dpiと複数の条件を試しましたが,

記事を書く都合上,割愛致します.

要望があれば,使いの実験を行う予定です.

ただし,自作フィルムマスクはしばらく作りません.

努力に対して結果が出なかったため,標準の付いてきたフォルダーで良いと思います.

実験結果

生コマフィルムのみの直置き
生コマフィルムのみの直置き

フィルム直置き+アクリル板で押しつけ
フィルム直置き+アクリル板で押しつけ

自作スキャンニングマスクのみ
自作スキャンニングマスクのみ

自作スキャンニングマスク(高さ調整有り)
自作スキャンニングマスク(高さ調整有り)

純正ホルダー(35mm用)
純正ホルダー(35mm用)

あくまでも,GT-X700でのスキャン結果ですが,

フィルムを直置きすると,スキャン結果が暗くなりました.

また,アクリル板を使うと,モアレ?のような模様が出ています.

これとは別に,2重スリーブの上でアクリル板を置いても,

同様の模様が少し出ていたので,アクリル板が反射などをしている可能性があります.

自作のスキャンニングマスクの結果ですが,端材を使って高さを変えたバージョンと比較すると,

少しだけ明るさが異なっています.

一方で,純正のフォルダーと比べても,自作フォルダーとあまり差はありません.

正確な高さを測っていませんが,標準のフォルダーを使った場合でも,

GT-X700の場合,フィルムの高さが低いため,ピントに差が出なかった可能性があります.

もっと上位機種になり,高さが異なれば,直置きとの差が大きくなると思います.

ちなみに,GT-8400UFで,直置きと純正フォルダーを使った比較としたことがありますが,
その時は,明るさ,ピントともに,ほぼ同じでした.

しかし,そもそも,スキャン画像が明るすぎるので,画像処理しないとちゃんとした絵になっていません.

くわえて,Windows10(64bit)で動かせていないので,
最低でも,メーカーが公式対応しているGT-9400UFを買った方が良いと思います.

ただし,ジモティーなどで無料ゲットの方法があれば,GT-8400UFでも良いと思います.

個人的には,お金を出してまで,今から買うのはあまりオススメできません.

光学的最大が,1600dpiなのもネックです.

やってみて気が付いたこと

別件で,GT-X700やGT-X750で4800dpiでスキャンしていますが,

やはりGT-8400UFと同じで,ピントが甘いです.

最終的には,Photoshopで「アンシャープマスク」や「スマートシャープ」のフィルタをかけて,

 ピントの甘さをカバーするようになっています.

現在は,効果の量などを調整中ですが,スキャン自体でピントを合わせるより,

画像処理で綺麗に仕上げる方向で考えています.

正直,綺麗な画像であれば,Blu-rayのスクリーンショットで十分だと思います.

あくまでも趣味のスキャンなので,これ以上の深追いは避けようと思います.

高級機種や業務用のスキャナーでキレイにスキャンしている記事などがあれば,

自分も依頼してみようと思います.

正直,画質などに拘りがなければ,最初から専門業者に外注した方が楽だと思います.

あくまでも,自分でスキャンすることに楽しさがあるような気がします.

頑張って仕上げてこそ,愛着が湧くと思います.

個人的に気がかりなのは,専門業者のほとんどが個人利用のみと記載しているので,

納品データをウェブサイトで公開していいのかが不安です.

一応,©コピーライト表記の記載や,低画質の画像に落とすなどの工夫をしていますが,

公式サイドからご連絡があれば,削除などの対応をします.

本ページに関しては,「フィルムスキャン」に関する内容なので,

グレーだと思いますが,コレクション紹介などはほぼブラックな気がします.

トレードや販売目的であれば,大丈夫な気がしますが,

公式運営側の判断に任せます.

したがって,今後公開予定のコマフィルムの画像は,

突然,非公開や削除の対象となるので,ご注意下さい.

また,転載などは,著作権などの関係上,責任を負えないため,出来ないと考えています.

禁止行為だと思います.

スクショを撮って,個人で見る分には問題ないと思うので,見て,五等分の花嫁を思い出してください.

同じようなコアなファンであれば,真剣に交換などを検討します.

販売などは色々と大変そうなので,やるとしたら無料譲渡ぐらいです.

Twitterなどで,同じように五等分の花嫁の生コマフィルムを収集している人を確認しているので,

そのような人とつながれたら良いなと思います.

こちらの作業環境としては,手袋&ピンセットです.

ただし,購入品に関しては指紋有りの物も混ざってきました.

ただし,くれくれ厨には対応致しません.

同じようなマニアで,愛情・情熱を感じられた人が現れたら,交流したいというぐらいの気持ちです.

これからもフィルムのスキャンや額装に関する内容を発信していきます.

良かったら遊びに来て下さい.待っています.

まとめ

五等分の花嫁の生コマフィルムは,1200~2400dpiぐらいで解像度の上限に達している可能性があります.

古いフィルムスキャナーでも,十分だと思います.

画質にこだわる場合は,映画のブルーレイ発売を待って,スクショしましょう.

フィルムスキャナーのマスク自作は,想像よりも面倒だと思います.

挑戦する場合は,ミリ単位の調整になるので頑張って下さい.

ピントの甘さを諦めて,画像処理でキレイにした方が楽だと思います.

それでも,お気に入りのフィルムをスキャンしたい方は,

高級機種を購入するか,外注して仕上げてもらいましょう.

よいフィルムスキャン生活を♪