漫画の表紙をラミネートする

目的

読み終えた漫画本を棚で保管するには,

物理的な限界があります.

しかし,処分するにはもったいないというジレンマがありました.

そこで,本ページでは,漫画の本体を処分した上で,

漫画の表紙のみを保管していく方法を試します.

実験内容と結果

実験装置

本実験では,以前の記事で紹介したアイリスオーヤマのラミネーターを使用します.
ラミネーターと被検体
ラミネーターと被検体

また,ラミネートする漫画の表紙は,

「五等分の花嫁」ではなく「To LOVEる」を用いることとしました.

本実験はあくまでも試験的な試みであり,

いきなり五等分の花嫁の漫画でテストするには危険度が高いと判断したので,

手頃な漫画で思い入れがあるTo LOVEるの漫画本を生け贄に用意しました.

なお,ラミネートフィルムは,アイリスオーヤマの純正品を使用しています.

実験1-1 表紙だけを中央に設置

Fig.1-1 (a)
Fig.1-1 (b)
Fig.1-1 (a,b)

説明書にも書いてありますが,咥え側(入れる側)に何も入れずにやると,

端っこが正しく挿入されず,角が折れ曲がってしまいました.

Fig.1-1 (c)
Fig.1-1 (c)

このように角が折れてしまったので,

ラミネートをする際は,しっかりと端まで紙を入れる必要があると分かりました.

実験1-2 白紙の上に表紙を設置

Fig.1-2 (a)
Fig.1-2 (b)
Fig.1-2 (a,b)

正しく端まで紙を入れると巻き込みでのトラブルは解決しました.

一方で,表紙の折り曲げている部分まで含めると,

最大ラミネート厚の0.4mmを超えている可能性があり,圧着の完成度に問題が見られます.

実験1-3 黒紙の上に表紙を設置

Fig.1-3 (a)
Fig.1-3 (b)
Fig.1-3 (a,b)

黒紙でもラミネートはできますが,紙単体でラミネートした時に比べて,

圧着度にムラが生じています.

これはラミネーターの仕様であり,

上位機種を使えば解決する可能性が高いと考えています.

一方で,安い3,000円ぐらいのラミネーターでもやれる方法がないかを考えました.

その結果,再度ラミネーターに入れてみることにしました.

その追い実験の結果は後述します.

実験1-4 表紙だけを中央に設置

実験1-1と同じ条件で,本当に失敗するのかを検証しました.

Fig.1-4 (a)
Fig.1-4 (b)
Fig.1-4 (a,b)

実験1-1と同様にラミネートに失敗し,さらに角が折れるだけでなく,

ラミネーターの中に入り込むという症状が発生しました.

何とか,中身を取り出すことに成功しましたが,

気が付くのが遅ければ救出出来なかったと思います.

Fig.1-4 (c)
Fig.1-4 (c)

取り出した中身の写真となります.

このように波打っている状態です.

これは,端が真っ直ぐ進まずに,

ローラーと一緒に巻き込んでしまい,

中でグルグルとなってしまったからだと推測されます.

それを無理矢理引き出したので,

波打った状態のフィルムが出てきたと考えられます.

機械の故障を避けるためにも,

先端に何も入れない行為は避けた方が良いと思われます.

実験1-5 帯有り表紙を黒紙の上に設置

最後に,帯有りの表紙をラミネートした結果をFig.1-5に示します.
Fig.1-5 (a)
Fig.1-5 (b)
Fig.1-5 (a,b)

帯有りの表紙をラミネートした結果,

特に帯有りと帯無しでは違いがありませんでした.

考察とまとめ

Fig.1-6 (a)
Fig.1-6 (b)
Fig.1-6 (a,b)

最大ラミネート厚が0.4mmのラミネーターに,

両端(袖?)を折り曲げた漫画の表紙と,

背景用のA4用紙を入れてラミネートすると,

厚みオーバーで正しくラミネートできない可能性が高いです.

漫画の表紙のみ(端っこを折り曲げずに切る)をラミネートフィルムの端に入れてラミネートする場合や,

上位機種の最大ラミネート0.6mmなどを使うことで,綺麗にラミネートできる可能性が示唆されました.

一方で,複数回ラミネーターに通すことで,綺麗になるかもしれないので,

追い実験をして検証したいと思います.

複数回,ラミネーターに通す実験

実験2-1 1回ラミネートした物をさらに何度もラミネーターに通す

Fig.2-1 (a)
Fig.2-1 (b)
Fig.2-1 (a,b)

再度ラミネーターに通すことで,黒みがハッキリとした様に感じられました.

しかし,完璧に綺麗になることはなく,

細かい気泡のようなものが残ってしまいます.

それでも,特に隙間などは1回目よりもミッチリとラミネートされている様なので,

複数回通す価値はあると考えています.

特に,A3の向きで入れることで,最初と逆になり,

より効果的にラミネートを行える可能性があります.

これに関しては,さらに追い実験を行いました.

Fig.2-1 (c)
Fig.2-2 (d)
Fid.2-1 (c,d)

ただし,ラミネーターに通す際は,

少し冷やしてから行った方が良いです.

連続してラミネーターに通すと,白くなったような気がします.

また,この実験の後に,自分のコレクションをラミネートした際は,

ラミネート直後に本で矯正するようにしました.

取り出して何もしないよりも,

気持ち真っ直ぐになったような気がします.

被検体の再利用

このままでは,自分のコレクションの漫画などをラミネートできないため,

追加で実験を行うことにしました.

すぐに用意できる本が無かったので,

今回使用した漫画の表紙を再利用しました.

ニス加工?してあり,表面に光沢がある部分に関しては,

ラミネートした後でも綺麗に剥がすことができました.

一方で,帯などの紙に関しては,

ラミネートフィルムにくっついてしまうため,

再利用することができませんでした.

したがって,下に紙を入れていなかった分と,

波打って失敗した分の2枚を除いた,

3枚を再使用して追加の実験を行います.

Fig.2-1 (e)
Fig.2-1 (e)

実験2-2 表紙だけを端に置いてラミネートする

Fig.2-2 (a)
Fig.2-2 (b)
Fig.2-2 (a,b)

漫画の表紙をラミネートフィルムの端まで入れることで,

正しくローラー上を進み,何とかラミネートすることに成功しました.

下に紙を入れていない状態でも,

折り曲げた部分だけ変になっているので,厚みオーバーしている可能性があります.

実験2-3 黒紙の上に表紙を設置(再)

Fig.2-3 (a)
Fig.2-3 (b)
Fig.2-3 (a,b)

少し気泡みたいのが目立っていますが,最低限のラミネートは出来ています.

実験2-4 白紙の上に表紙を設置(再)

Fig.2-4 (a)
Fig.2-4 (b)
Fig.2-4 (a,b)

白紙同様,気泡みたいのが入っていますが,余り目立たないので,そこまで気になりません.

隙間の空気も含めて,白紙の方が,綺麗に出来ているように錯覚します.

実験2-5 複数回ラミネーターに通す

Fig.2-5 (a)
Fig.2-5 (b)
Fig.2-5 (a,b)

あくまでも個人の主観ですが,

それぞれの辺をラミネーターに通して,合計4回分ラミネートすることで,

一番綺麗になるような気がします.

それ以上の回数をやっても,あまり変化が無いので,

効率が悪く,無駄だと思います.

注意する点としては,下に何も入っていない部分から挿入すると,

紙がある部分までカールしてしまうことが分かったので,

下地に紙を用いない場合は,3辺しかラミネートしない方が良いと思います.

もしくは,余った部分を切り落としてから,

ラミネーターに通した方が良いかもしれません.

ただし,筆者はA4サイズでしか実験を行っていないため,

変型サイズでの結果はあくまでも予想になるのでご注意ください.

約50冊ほどラミネーターをした後日談

この実験の後に,ソードアート・オンラインの小説をラミネートしました.

実は,10周年記念の際,複製原画を購入したときに18巻ほど付いてきました.

それの扱いに困っていたので,思い切ってラミネーターを購入した次第です.

結果的には,その出来映えに満足しています.

しかし,連続使用時間の都合で,ストップする時間があり,

作業的にはスムーズに行えませんでした.

また,作業にはそこそこ広い机が要ると思うので,

その点が辛いと思います.

ラミネートした物に関しては,

コアデのクリアファイルケースに入れています.

このクリアファイルホルダーはA4サイズが20ポケットで40枚分入ります.

品質と値段が釣り合っていないコスパが悪い商品だと感じましたが,

他の製品はもっと高いので,クリアファイルを収納したい需要が少ないと見ました.

あと,漫画の表紙を綺麗に置くのが難しいので,

その調節している時間が結構かかります.

一辺さえラミネートしてしまえば,後は流れ作業になります.

それでも,枚数が多ければ数時間はかかると思うので,

根気強く頑張る必要があります.

また,取り出す姿勢などが変だと,

腰などを痛めることになると思います.

私は,ラミネートした翌日,変な筋肉痛になりました.

ラミネート経験者として,次の世代に残す言葉は,

『安物買いの銭失い』に気をつけてです.

3,000円ぐらいの安物だと,使い物になりません.

紙1枚程度しか,ラミネートできません.

写真やハガキをラミネートしたい場合,

10,000円ぐらいの上位機種を買いましょう.

保育士さんなど,画用紙などを扱う場合,

業務用のラミネーターを経費で買ってもらいましょう.

やはり,「安かろう悪かろう」です.

用途によって,最初から高いのを買った方が,

幸せになるケースが多いと思います.

自分の場合は,厚みにもっと注意するべきでした.

最後まで読んでくださり,ありがとうございました.